近畿地区氏子青年の集い
〔文化講演会『神社と源氏物語』〕の報告

  京都府氏子青年連合会が中心となり、平成19年3月18日(日)に実施致しました表題の件につきまして、ご報告申し上げます。

  今回の事業は、全国氏子青年協議会様より「近畿地区氏子青年の集い」の指定事業に認定され、また京都府神社庁様よりも平成18年度特別事業の指定を受けております。

  この講演会は、日本を代表する古典文学の一つである、紫式部の『源氏物語』が書かれてから平成2011月に千年紀を迎えるのを期に、今まであまり取り上げられてこなかった神社と源氏物語との接点を探り、源氏物語を通して、日本の伝統文化の素晴らしさを認識する機会を設けることを目的として、当連合会が開催したものです。

  京都府連には現在、石清水八幡宮・長岡天満宮・御霊神社・松尾大社・岩屋神社・下鴨神社の各社に所属する氏青が活動しております。

  今回は下鴨神社青年会が主管を務め、順次回り持ちで継続して講演会を開催していく所存です。

事業の実績報告

 当日は、講師をお願いしていた中井和子京都府立大学名誉教授が、別途講師をされている京都アスニー〔京都市生涯学習総合センター〕の講座生の方、及び先生が昨年末に、NHKラジオ第1放送局で講演をされたラジオ深夜便「源氏物語と仏教」の聴講者が、来場された。

  また会場をお借りした賀茂御祖神社(下鴨神社)が世界文化遺産に登録されていることもあって、源氏物語に興味をお持ちの参拝者が飛び入り参加されるケースも見受けられた。

  主催した我々の京都府氏子青年連合会関係者はもとより、滋賀県氏子青年協議会や大阪府氏子青年協議会の方々にも多数参集頂いた。受講総数はおよそ百名であった。

  内容的には、賀茂祭(葵祭)の斎行される直前に賀茂斎王が賀茂川に赴き、社頭の儀に備えて身を浄める為の行列を観ようと集まった、見物の車争いの話が今回の本題であったが、先生は実に巧みに光源氏を中心に、葵の上と六条御息所に関する「葵の巻」や「若菜の巻」の一説を朗読しながら、平安時代の優美でかつ怨霊的な世界へと聴講生を誘って頂いた。先生の柔らかい声が醸し出す、京言葉独特のイントネーションの語りが、
平安時代の十一世紀にタイムスリップする楽しい感覚を味わうことが出来た。


  また、座談会講師の新木直人賀茂御祖神社宮司には、仏教が煩悩からの解脱を目的とする来世の救済であるのに対して、神道は現世利益の神々を信仰することによって、生きるための先を見通す力を授かることを目的としているということをお聞きした。

  中井先生と新木宮司との「仏教と神道」の双方向から源氏物語を捉え、それぞれ異なった観点からの見解は興味深かった。

  主催者が考えていた以上に、今回の文化講演会における開催意義はあったと考えてい
ます。

京都府氏子青年連合会

会 長  小  松    明

[ 下鴨神社青年会 所属 ]